2013年も3月をピークに流行し、140名ロタウイルスに感染したお子さんがおられましたが、そのうち12名のお子さんが入院になっております。しかもそのうち3名はけいれんをおこして入院になりました。なんとか外来点滴で改善したお子さんが15名おられますが、嘔吐下痢がひどいため一日の点滴では改善しないのがロタウイルスの怖いところです。2~3日点滴を行わないと改善しません。改善すればまだ良い方で、それでも改善せず入院することも多く、5名に1名の高頻度で点滴や入院になっている恐ろしいウイルスで、治療する側にとっても非常に厄介なウイルスです。
こんな怖いウイルスだからこそ以前からロタウイルスワクチンは開発されていたのですが、日本では平成23年11月になって、やっとロタウイルスワクチンが発売されることとなりました。ロタウイルスワクチンは、世界120か国以上ですでに認可され、海外で多くの赤ちゃんが接種してその効果と安全性が確かめられていることから、平成23年年7月、日本でもようやく承認され、11月にやっと発売となったのです。
ただし、残念なことに接種対象者が限定されており、生後6週から32週(初回接種は生後14週6日まで)までの赤ちゃんしか接種できないうえ、任意接種のため有料のワクチンです。くれぐれも任意接種のワクチンは定期接種のワクチンより必要性が劣るなど、間違った解釈はしないでください。(日本以外の先進国の多くでは定期接種として全額公費助成があります。それだけ必要なワクチンだということなのです。日本はワクチン後進国で世界の常識に追いついていないだけなのです)。
初めてのお子さんのお母様方には、このロタウイルス怖さはピンとこない方が多いとは思いますが、感染してからでは遅いのです。「金額が高いから」とか「同時接種したくない」などと言っている次元ではないのです。 感染してから後悔しても遅いのです。
お子さんのために是非ロタウイルスワクチンを受けさせてあげてください。