ロタウイルスは外来での治療が大変難しいのです
ロタウイルスは非常に感染力が強い上、感染すると脱水症状をおこし重症化しやすく、2~3日の外来点滴では改善しないことが多い非常にやっかいなウイルスで、やむなく紹介入院となることが非常に多いのです。かかりつけ医として、子どもたちを入院させることは非常に残念なことですが、外来でできる治療の限界なのです。
まず、ロタウイルスがどんなに怖いウイルスかコチラをお読み下さい。
■ロタウイルスワクチンが普及するまでは非常に大変でした
日本にロタウイルスワクチンが導入されたのは2011年11月なのですが、なかなかワクチン接種が普及せず、
2013年度は140名ロタウイルスに感染したお子さんがおられました。(当クリニックにて)
そのうち12名ものお子さんが入院になっております。
しかもそのうち3名はけいれんをおこして入院になりました。
なんとか外来点滴で改善したお子さんが15名おられますが、嘔吐下痢がひどいため一日の点滴では改善しないのがロタウイルスの怖いところです。2~3日点滴を行わないと改善しません。改善すればまだ良い方で、それでも改善せず入院することも多く、5名に1名の高頻度で点滴や入院になっている恐ろしいウイルスで、治療する側にとっても非常に厄介なウイルスなのです。
脳炎脳症というと皆さんはインフルエンザを思い浮かべると思いますが、実はロタウイルスは脳炎・脳症の原因の第3位で、脳炎・脳症になると後遺症が残ることもある怖いウイルスなのです。
以上の理由から、当院をかかりつけにしてくださるお子さんには、“絶対ロタウイルスで入院させない”ことを目標にロタウイルスワクチン接種を強くお薦めしているのです。
■ロタウイルスワクチンの効果は絶大です → 詳しくはコチラをご覧下さい
■高いワクチンですが、かかりつけのお子さんの95%はを頑張ってうけてくれています → 詳しくはコチラをご覧下さい
一番は本人とご家族のためですが、それに加え、かかりつけのお子さんが感染しなければ、それだけ院内感染のリスクも低下することを期待してお薦めしているのです。
このかかりつけ医の思いをどうかご理解下さい。