卵黄の消化管アレルギー (食物蛋白誘発胃腸炎) について

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)ってなに?

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)は、1990年代の終わり頃から世界的に発症が増加しています。主に生まれてすぐの新生児から乳児が多いものの、成人での報告もあります。新生児や乳児では、原因となる食物(粉ミルクなど)を摂取してからしばらくして、嘔吐や血便、下痢などのお腹の症状、また体重が適切に増えない、などの症状がみられます。じんましんや咳・ぜいぜいなど一般的な即時型食物アレルギー(IgE依存性)の症状がないことが特徴の1つです。なぜ近年増えているのか、また疾患のメカニズムについてもまだ十分にわかっていません。

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)は、食物摂取から症状の出現までの時間が短いグループ(急性の経過)、症状の出現まで時間がかかるグループ(慢性の経過)へ大きく分けられます。また、症状をもとに更にいくつかのサブグループに分けられます。

 

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)の検査・診断

当クリニックでは検査診断できませんので、負荷試験などを行っているアレルギー専門医療機関に紹介して検査診断を行ってもらっております。

検査診断は以下のとおりです。

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)は、①原因と疑う食物を除去して症状が改善すること(食物除去試験)、②原因と疑う食物を再度開始すると再び症状が出現すること(食物負荷試験)、③他の疾患にあてはまらないこと、を確認し診断します。こどもではお腹の症状や体重増加不良を生じる疾患が他にも数多く存在するため、他の疾患がないか初めに十分確認することが重要です。そのため、血液検査、便検査などの他、必要に応じてレントゲンや腹部エコーなどの画像検査、消化管内視鏡検査をおこないます。

なお、症状が重症の場合には、それらの検査と並行に、治療(原因と疑う食物の除去、点滴による栄養、代替栄養剤の使用、など)を早期に開始することがあります。

食物たんぱく誘発胃腸症(消化管アレルギー)では、一般的な即時型食物アレルギー(IgE依存性)とは症状出現の時間経過などが異なるため、即時型食物アレルギーとは異なる実施方法・入院期間で食物負荷試験をおこなっています。