結節性痒疹とは

結節性痒疹は、さまざまな痒疹のなかでも、数週間~数か月にわたって持続する「慢性痒疹」と呼ばれる種類のものです。全身の皮膚のうち、主に手足にできることが多いとされていますが、体幹(腹部や背中)など、広範囲に現れることもあります。

丘疹(赤い盛り上がった発疹)が、かきむしった刺激などにより、大きく硬くなり、最終的には5mm~20mmほどの茶色い発疹になっていきます。長い場合は1年二条にわたって継続することがあるとされる病気です。

原因は?

結節性痒疹は、ブヨや蚊、ナンキンムシといった虫に刺されたのちに起こることが多いため、虫刺されによるアレルギー反応が原因のひとつだと考えられています。ただし、必ずしも虫刺されが結節性痒疹を引き起こすわけではありません。

 

背景として、ストレスやアトピー要因のほか、肝臓や腎臓の障害、がんなどが関係している可能性があることがわかってきています。

 

症状は?

 

結節性痒疹の主な症状のひとつに、強いかゆみがあります。また、虫刺されのような発疹ができるのも特徴です。かくほどに発疹が刺激されて硬く大きくなり、治りにくくなってしまう傾向があります。

 

治療は?

病院で処方される薬の代表的な例が、ステロイド外用薬です。炎症やアレルギー反応を抑える働きがあるため使用されます。場合によっては、ステロイド外用薬を塗ったところを、ラップのようなもので密封するODT(密封療法)が用いられることもあります。またステロイドを皮内注射することもあります。

内服薬としては、抗ヒスタミン薬がよく用いられます。かゆみを発生させる原因とされているヒスタミンが、神経に働きかけることを抑える働きがあるとして使われている薬です。さらに、重症化している場合は、ステロイドやシクロスポリンが内服薬として処方されることもあります。

 

市販薬では、かゆみを鎮めて皮膚の炎症を抑えるような軟膏が比較的簡単に手に入りますが、医学的には、結節性痒疹に対する効果の根拠が十分に示されていないものもあります。