反復性耳下腺炎
おたふくかぜに何度もかかった?
耳下腺の腫れる病気は,おたふくかぜだけではありません。反復性耳下腺炎は,おたふくかぜにとてもよく似ていますが,次の点が少し違います。
1)片方だけ腫れる.
2)熱は出ない.
3)痛みはかるく,2~3日で治る.
4)うつらない.
5)何度もくり返す.
原因は?
はっきりとした原因は不明ですが、耳下腺の先天的な異常や唾液停滞などにより口の中の細菌が耳下腺に入り込む、アレルギー反応、他のウイルス感染、内分泌の異常など多くの発症要因が推定されます。
早い場合は1歳未満より発症し、5~6歳でピークが存在します。1年間に1~5回の耳下腺の腫れを繰り返し、それが5年以上にわたって生じ、12歳をすぎるとあまり見られなくなり、思春期以降は症状がなくなります。
診断
おたふくかぜとの区別が問題になります。おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)に比べて、腫れはさわると硬く、耳下腺表面がしっかり触れることが多いです。超音波検査(エコー検査)で特徴的な所見があり、おたふくかぜとの鑑別に有用です。
おたふくかぜや繰り返さない耳下腺炎のエコー所見
腫大した耳下腺内は。均一です。
反復性耳下腺炎のエコー所見
腫大した耳下腺内は,蜂の巣の様に穴が空いたように
(泡沫状)見えます。
どうしても区別をつけないといけないときには、血液検査でおたふくかぜのウイルスに対する抗体価を見て判断します。
治療
細菌感染を考え、抗生剤の投与、,痛みが強い場合には冷湿布、消炎鎮痛剤の投与などを行います。
家庭で気をつけること
痛みが強いときはすっぱいものは避けたほうがいいでしょう。たいてい痛みは軽いので,何を食べてもかまいません。
保育所・学校
はじめはおたふくかぜと区別がつかないので,一応おたふくかぜと考えて休んで様子を見ます。血液検査でおたふくかぜの免疫があるとわかれば,次に腫れたときは休まなくてすみます。